歯を失った場合の第一選択としては、インプラント治療があります。
詳しくは、『インプラント』をご覧ください。
しかし、インプラント治療も万能なわけではなく、インプラント手術への不安を抱いている方やアゴの骨の状態・持病を持っている方の場合には、インプラント治療が適応しない場合があります。
その点、入れ歯であれば、すべての症例に適応するという特長があります。
入れ歯はすべての方に適応できるという特長がある反面、入れ歯で困っている人は、
2,000万人以上と言われ、『噛めない・はずれる・食事がおいしくない』が入れ歯の三拍子と言われてきました。
合わない入れ歯を使用していると、アゴの骨は急速に減っていきます。アゴの骨が減ると、余計に入れ歯が合わなくなり、さらに急速に骨が減っていくという悪循環に陥ってしまいます。
しかし、こうした合わない入れ歯を使用されている方の多くは、
“入れ歯は噛めないもの”
“歯を失ってしまった以上、仕方のないこと”
など、入れ歯でおいしく食事をとることを諦めてしまっています。
これは非常にもったいないことです。
歯科医療は日進月歩の世界です。
技術の進歩によりぴったりと合う入れ歯を作ることも可能になっています。
ぴったりと合う入れ歯であれば、快適でおいしく食事をとることもできるのです。
合う入れ歯と合わない入れ歯は何が違うのという正しい知識を患者さん自身が知ることが、自分にぴったりと合った入れ歯に出会う第一歩となります。
これから私は、歯科医師として非常に心苦しい話をしなくてはなりません。
それは、入れ歯が合わない最たる理由は、保険の制度上、入れ歯に使える材料や、かけられる手間に制限があるということです。健康保険を用いた診療では、使える材料や手間が細かく取り決められています。歯科医師は、このルールに則った診療をしなくてはなりません。
このことが、ぴったりと合う入れ歯にもっとも大切な“調整”という作業に手間をかけることを難しくしているのです。
具体的には、入れ歯は、作れば作るほど赤字になるという事情があります。
ある試算では、総入れ歯を一つ作ると、歯科医院側は約2万円の赤字になると言われています。信じられない話かもしれませんが、本当の話です。ですから、歯科医院と患者さんにとって“不都合な真実”として、自分にぴったりと合う入れ歯は保険の範囲内では不可能であるということです。
ただし、保険外の入れ歯であっても、決して歯科医院側に大きな利益があるわけではないということご理解ください。
こうした前提のうえで、保険外で作る入れ歯と保険の入れ歯の違いについてお伝えしていきます。
快適な入れ歯には、以下の条件が求められます。
保険の材料で作る入れ歯は重いため、噛むという動作に負担を与えます。
一方、保険外の入れ歯で使用する材料には、保険の材料の約1/4の重さのものを使用します。
口の中は、髪の毛が1本入るだけで不快感があるほど敏感です。このため、保険外の入れ歯で使用する材料の場合、保険のものに比べ約1/6の厚さの薄い材料を使用します。
入れ歯を入れると、温かい・冷たいといった食べ物の温もりが感じられません。食べ物の温もりは味覚に大きな影響を与えます。このため、保険外の入れ歯では温もりを感じられる材料(専門的に表現すると、熱伝導率の高いもの)を使用します。
入れ歯をひっかける針金は、見た目にも悪く心理的な悪影響を及ぼす場合があります。保険外の入れ歯では、この針金を見えないようにする仕組みがあります。
合う入れ歯を作るために一番重要なのは、手間をかけた調整です。
保険外の入れ歯の場合には、ミリ単位に及ぶ緻密な調整を行うことで、自分にぴったりと合った入れ歯をつくることが可能です。
最先端の入れ歯をご覧になりたい方は料金表を参照下さい。
素材別でそれぞれの特徴を詳しく説明しています。
【通院回数の目安】
保険の入れ歯の場合:5回程度を目安に考えてください。
自費の入れ歯の場合:6回~7回程度を目安に考えてください。
このように、合う入れ歯・合わない入れ歯には、その製作過程や材料に大きな違いがあります。そして、この違いが、入れ歯の使用感に大きな影響を与えます。
合わない入れ歯は、ボケまでの一里塚といわれています。
合う入れ歯で物をしっかり噛むことで「ぼけ防止」
に大きな効果があるのです。
顎を動かすことにより脳の中を流れる血液の量が
大幅に増加し、脳細胞を活性化させるためです。
これはある統計でも証明されており、
アルツハイマーになってしまう方には、
歯が少ない人が多いようです。
身近な例えとしまして、眠気が襲ってきた時、眠気覚ましに「ガム」を噛むことがあります。これはハッカなどの刺激の効果もあると思いますが、ガムを噛む行為自体が脳に新鮮な血液を送りこむので、脳が活性化し、眠気覚ましにも効果があるのです。
このようなことから最近では、両親へのプレゼントとして、お子さんが来院され、
「親のために、よく合った入れ歯を作ってあげたい。」というご要望もあります。
もし、ご両親が入れ歯で悩んでいるのであれば、お気軽にご相談ください。
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